◆ ブロック編 ◆

■ ブロック加温ホーニングをしている所です。
温水をポンプで送り込む自作装置を使って、70度までブロックを暖めて、出来るだけ
使用状態に近づけてホーニングを致します。

■ クランクメタルの計測をしますが、同じ厚さのメタルの中でも、微妙に厚さが異なりますので
複数の中から一番狙いに近いものを選択して使用するメタルを決定します、決定されたメタルは
バリ取りを行います。

■ ピストンリングの合口を調整している所ですが、測定に適した位置に確実にリングを沈める為に、
リングを適当にシリンダーに入れて、画像に写っている自作の冶具をシリンダーにポンと置くと、
理想的な位置にリングが沈められます、その位置で合口を測定致します。


■ 組付け前には各摺動部にたっぷりと組付けペーストを塗りこみます。

■ ピストンを挿入する前に、ブロックをバーナーで軽く暖めます、暖めないとピストンが入らないのです、
これって、わかる人なら「???」ってやり方では無いでしょうか?ブロックを暖めないとピストンが入らない
と言う事は「そんなに狭かったら焼き付く」か、「シリンダーが傷だらけ」になるのでは?
と思われそうですが、前回のオーバーホール時も同様の手法でピストンを挿入しています、ご安心下さい。
ピストンはスカート部が広くなっているものなのですが、当社のクリアランスの設定ですと、シリンダーの
入り口部がピストンスカート径より狭く、形状故に挿入しにくいからなのです。
シリンダーも同様にブロック単体の状態では均等な円筒形状では無いので、入れてしまえば、
多少のクリアランスは確保出来るのです、その上で、全て組みつけられて、水温が上がれば
ほぼ真円状態になる様に仕上げてあります。
但し、冷間時のクリアランスは不均等なので十分な暖気運転が必要になります。
お客様の話ですと「エンジンが温まったら音が静かになる」と言うほどなんですよ。

■ ブロックを暖めてすぐにピストンスライダー(これも自作です)を使ってピストンを挿入致します。

■ コンロッドボルトを締め付けますボルトの伸びで締め付け管理しますのでトルクレンチは使用しません。
締め付け方向に力が加わり、コンロッドが動いてしまう事でメタルを傷付けないように
シクネスゲージを挟んで(黄色い○部分)コンロッドが動かぬ様、細心の注意をしながら締め付け致します。

■ ボルトの伸びを確認しながら締め付けます

■ 組付け後はピストンボリュームの確認を致します。


■ クランクシャフトのスラスト測定をしています。
0.21mmでしたので基準値内でした。


■ オイルポンプギアのクリアランス測定中です。
傷の点検も同時に行います。
エンジンオイルを送る大切な部分ですので慎重に確認致します。


■ オイルポンプのスラスト方向の隙間点検も行っています、測定後は組付けペーストを
十分に塗り込んで馴染みやすくしておきます。


■ ブロックの組み付けが終了致しました!